4歳〜(年中・年長)は冊子p.27-28 6歳〜(小学生)は冊子p.26-26
山からコインを1枚とる→黄色なら1マス、緑なら2マス、青なら3マス進む→先にゴールした方が勝ち、という、すごろくにも似たシンプルなゲームです。サイコロではなく2つのコインの山で進むマスを決めていくことで、どんな面白さが生まれるのでしょうか。
運営チームからの質問に、コンテンツクリエイターに答えてもらいました。
Q1. 「コインレース」を通して、どのような力が育まれますか?「ここが面白い」というところも、あわせて教えてください。
A1. 自分が特定のマスを踏まないように歩数を計算すること、相手にどのコインを「取らせるか」を考えることを通して、最適な戦略を論理的に詰めていく思考力が育まれます。
「コインレース」は、「どちらかのコインを選ぶ」というシンプルな操作でありながら、考えることが多様にあり、戦略的な思考が重要になるゲームになっています。
例えば上の状況で赤のコマの番で、数としてはよりゴールに近づけそうな「緑(2マス進む)を選ぶと「3マス戻る」に着いて逆戻りしてしまいます。一見損をする「黄(1マス進む)」を選ぶと、相手のコマの上に止まってもう一回進むことで逆転できます。
山が2つあることで、どちらを取れば自分が有利になるかを考えるところに、このゲームの面白さがあります。
サイコロを使ったすごろくと違い、このゲームでは、一度山を作ってしまえばその山の中でコインの順番が入れ替わるようなランダムな要素がなく、有利不利は純粋に戦略によります。
Q2. はじめてやるときに、つまずきやすいところはありますか?
A2.どの色で◯マス進むという対応関係や、相手のコマの上に乗ったときはもう一度進める点は見落としやすいかもしれません。
色と進む歩数の対応は、慣れるまで把握するのに時間が必要ですが、何度かやっていくことで覚えられるようになってくるでしょう。
動かすコマもコインなのが紛らわしく感じてしまう場合は、コインの代わりに消しゴム等をコマとして使ってみてください。
相手のコマの上にコマが止まったときはもう一度自分の番になるというルールは、盤面の方に書いてあるので、注意して読んでいただければと思います。
Q3.慣れてきた頃におすすめの、よりステップアップした遊び方を教えてください。
A3.次の相手の番のことを考え、相手が歩数の少ないコインを取るように、あるいは「3マスもどる」を踏むように、自分が取るコインを選ぶのも有効な戦略です。
例えば、1枚目の図(左)の状況で赤のコマの番のとき、黄を取って1マス進み相手のコマに乗ってもう1回進むのと、青を取ることで2枚目の図(右)のように青のコマ(プレイヤー2)に黄を取って3マス下がるように強いるのは、どちらが有利でしょうか。このように、一見シンプルな要素が重なり合うことで、深い戦略性が生まれます。
終盤では、山が1つになるとその後の動きが確定するため、先読みして「片方の山の最後の1枚をいつ取るべきか」を考えると、より勝利しやすくなるでしょう。
他には、「相手のコインに乗るように取るコインを選ぶ」、「相手の作戦の選択肢を減らすため、両方の山の一番上のコインが同じ色になるようにする」「片方の山がなくならないように、多い方からコインを取る」など、色々な戦略があります。
ルールをアレンジしてみるのも大歓迎です。
「差が出すぎないように青も2マスにする」、「逆転が起きやすいようにゴールまでのマスを増やす」「6マスもどるマスを設ける」など、「こうしたら面白くなるかも」と思ったものをぜひ試して研究してみてください。
6歳〜(小学生)向けの「ポイントがっせん」については下記をクリックしてご覧ください。
高得点のマスを取り合う「ポイントがっせん」
※6歳〜(小学生)冊子p.27-28
ゴールすれば終わり、だった「コインレース」から発展して、「ポイントがっせん」ではコマが1人2つに増え、山のコインをすべて使い切るまでゲームが続きます。
「最後にどのマスに止まっていたか」に応じた得点の合計を競います。
Q1. 「ポイントがっせん」を通して、どのような力が育まれますか?「ここが面白い」というところも、あわせて教えてください。
A1.
「最後にどのマスに止まるか」の目標をたてて、それに必要なプロセスを考えることで、計画性と臨機応変な対応力が育まれます。
「コインレース」ではたくさん進むことを考えればよかったのに対し、このゲームではさらに、最後に止まりたいマスを見定めて進む量を調整すること、2つのコマのどちらを動かすかを考えること、などの要素が加わります。
※このように、片方のコマが動けないという状況もありえます。
高得点のエリアにいくためにはある程度進まなければなりませんが、2枚ともそこへ到達するためには多くの移動量が必要になります。
ときには片方のコマが高得点を取ることを諦めてもう片方を最高点のマスに止めることに専念するという判断をするのが有効という場合もあります。
最高点の6点を確保できるよう1枚だけをできるだけ進めるか、両方とも少しずつ進めて、3枚とも4〜5点を取るか、
戦略は一通りではなく、好みと状況に応じて選ぶことに面白味があります。
Q2. はじめてやるときに、つまずきやすいところはありますか?
A2.「他のコマが乗っているコマは動かせない」というルールが加わったことに留意してください。
※ほかのコマが のっている コマ はうごかせないよ!
※うごかせるコマが ないときは あいての番に なるよ。
※「ポイントがっせん」で追加されるルールです
自分のコマの一つが他のコマの下にある場合、もう一つの動かせるコマを必ず動かさなくてはなりません。(両方とも動けない場合のみ、パスとなります。動かせるけれど動かしたくないからパス、はできません。)
Q3.慣れてきた頃におすすめの、よりステップアップした遊び方を教えてください。
A3.
「他のコマが乗っているコマは動かせない」というルールを使って、高得点のマスに止まっているコマに無理やり動いてもらうことができます。
慣れてきたら、点数や盤面は自由にアレンジしてみてください。山のコインの枚数を増減したり、コインと歩数の関係を変えてみるのもよいですね。プレイヤーのコマの枚数は2枚に限る必要はありません。3枚や4枚にしてコインの山を増やすと、より深みのある戦いになると思います。
以上、「コインでたいせん!」の紹介でした。この記事が、シンプルさと発展性を備えた「コインでたいせん!」を、より楽しむ一助となれば嬉しいです。