2021.11.29

パズルノートの「困った!」におこたえする、お子さまへの声かけ例

保護者の皆さまにご協力いただいたアンケートやオンライン相談会で、思考力ワークブック「パズルノート」に取り組んでいるときの「困った!」な事例をお寄せいただきました。
そうしたときの声かけ例をまとめましたので、お子さまと一緒にパズルノートを楽しむ際のご参考となれば幸いです。

問題のルールを理解せずに、適当に解いているように見えるとき

 

問題をあてずっぽうに解いて、「とりあえずできた!」となっている様子を見かけたとしたら、「きちんとわかっていないように見えるけれど、大丈夫かな?」と不安に思われるかもしれません。

しかし、小学校低学年くらいまでは、直感的に「こうだ」と思ったものをとりあえずやってみる、ということから得るものもあり、必ずしも適当にやってしまっているからダメだ、というわけでもありません。
自分の考えを論理的に筋道立てて言語化するといった思考のあり方よりも先に、「直感的にこうだとわかる」「筋の良い仮説をひらめく」といった思考のあり方が発達するという場合もあります。

「本当にわかっているのかな?」と感じたときは、言葉で論理的に説明することを意識するよりも、「これ、どうなっているのかな?一緒にやってみよう!」と、声をかけて、体験の中で「そういうことね!」と納得できることを目指す、というのも一つの解決策です。

問題を解くのがいやになっていそうなとき

難しいと感じる問題と相対して、失敗をおそれることはごく普通の反応です。わかっていないことを人に見られるのが恥ずかしくて、わざと真面目にやっていないかのようにふるまうといったこともよくある事例です。

問題に対しての意欲を失っているときは、無理強いする必要はありません。
特にパズルノートの「ボーナス問題」に関しては、「この問題はここまで奥深いものが作れるよ」といった見本としての意味も持たせてあります。
ですので、それらを解けるかどうかといったことで何かを測ろうといった趣旨のものではございません。例えば「じゃあ他のをやってみよう!」と声かけして、他の教材で自信と経験を培ってからまた戻ってくる、といった使い方や、解答を見てから、どうしてそうなるのか考えてみる、といった使い方も可能です。

解けない問題を作っているとき

<カメラに見つからないように迷路を進もう、という問題で、「ハテニャンがカメラにみつかるのが楽しい」という問題の再現例>

問題を作っても、「絶対にルール上、解けない問題を作るのが楽しい!」「見て3秒で解ける問題を作るのが楽しい!」「とにかく盤面を埋め尽くすのが楽しい!」といった時期がそれぞれあるかもしれません。
そうした時期は、問題を作り始めた子の多くが通る道なので、優しく見守ってあげてください。「この問題、ここをこうしたら面白くなるかな?」とヒントを出してあげるのも良いかもしれません。

無関係な写真を送るのを楽しんでいるとき

そもそも問題づくりに興味がなさそうだ、関係ない写真ばかり送っている、といった場合は、無理強いは必要ありません。興味をもてるテーマが出てくる回まで待つことも一つの手段です。
もしくは、少しお手間をいただく方法にはなりますが、作問シートを活用して、保護者の方からの挑戦状として、「問題作ってみたんだけれど、解いてみて!」とごくシンプルな問題を出してあげるのもおすすめです。

「自分でも解ける/自分でも作れそう」といったことがわかれば、挑戦してみようと思うきっかけになるかもしれません。
(シンプルな問題を出されてやる気が出る子もいれば、複雑な問題にやりがいを感じる子もいるので、お子さまの性格に合わせたやり方で試してみてください。保護者の方につられて楽しくなるという方法なので、保護者の方も「なんか気分のらないなあ」という場合は、見守る方向性の方が良い場合もあります。)

自作の問題を見せてきたとき

 


もしお子さまが自分の問題をみせてきたら、問題の出来よりも、「作ったことそれ自体がすごい」ということを強調していただけますと幸いです。
その子なりの工夫が問題に現れていたときは、「ここはどうやって解くの?」と聞いてみるのもよいでしょう。
「ひみつ」と言われることもあるかもしれませんが、もしその子の言葉で伝えようとしているものがあれば、傾聴してあげてください。

問題作りはその場の勢いによるものも多く、数日経つと作った本人でも解けなくなっていることはよくあることです。その時は一緒に解いてあげてください。
どんな声がけよりも、「自分の作った問題を誰かが解いてくれている」というのを見せることが、次の問題はこうしようといった励みになります。

以上、パズルノートに取り組む際の声かけ集でした。