2024.05.25

お悩みにお答えします!アート教材「まぜまぜパレット」

今回は、一緒に取り組む際のよくある事例と声かけ例を、教材開発者に語ってもらいました。

※教材の詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
 


「こんなときどうする?」お悩みQ&A

Q.「まぜまぜパレット」で、自由に色をまぜていいよと言ったら、茶色っぽい色が多くなってしまいました。教材の取り組み方として、これでいいのでしょうか?
A.
茶色くなるのは、「たくさんの色を使ってみたい!」という気持ちのあらわれ。お子さまにとっては、新しい発見ができる体験の一つです。

いろんな色を混ぜて「茶色」に行き着くのは自然なことです。
気にしないのが一番とお伝えしたいところですが、傍で見ていればどうしても気になるという保護者のお気持ちはもっともです。
 

なぜ「茶色」になることが多いのか、子どもたちの行動の背景とは?



「全部茶色になる」パターンとして、ただひたすらに絵の具を出して混ぜている、という子もいるとは思うのですが、「赤と、青と、黄色これぐらいにして…」のように、「これも入れたい!」「あ、これも!」となることによって、いつの間にか全色混ぜ合わせることになる、という子が多いです。

実は「茶色」にも違いが?つまらないと感じているのは大人の方かも?

完全に同じ茶色ではなく、紫っぽかったり、赤っぽかったり…少しずつ配合が異なる茶色になっているのではないでしょうか?

入れたい色を全部入れたら茶色っぽくなったという体験が、失敗というわけではなく、それはそれで快感というか、「うわー!こうなるんだ!」と新しい発見ができる体験なのです。 

 
茶色やグレーしかないと嫌かな、つまらないかな、と思うのは子どもよりもむしろ大人の方だったりもします。
子どもたちが、茶色は茶色で「あまりきれいじゃない色」ではなく「おもしろい色」みたいに捉えられていたら、それは素敵なことだなと思います。

Q.まぜまぜパレットを一緒に楽しむために、こんな声かけの仕方があるよという例を教えて下さい。
A.
もっと試してみたくなるように「◯色を入れなかったら、どうなるかな?」という問いかけ、お子さまのタイプによってはおままごと風にやってみるのもおすすめです。

さまざまな色を生み出すためには、色を絞ることが必要なのですが、5色使えるのだけど、あえて2色や3色にする「引き算の美しさ」は初めのうちは結構ハードルが高いです。

授業(*)で「まぜまぜパレット」を試してもらったとき、「似たような色になっちゃうな」という子どもへ、「赤を入れないでみたら、どうなるかな?」と声をかけてみたところ、試してみて新しい発見があったようでした。

(*) ワンダーラボでは、教材開発のため少人数の研究授業を行っています。


「この色だけにしたらどうなるかな?」「この色を使わなかったらどうなるかな?」と、子どもが試してみたくなる疑問として提示してみるのもひとつのやり方です。
(「ただひたすらに絵の具を出して混ぜている」パターンの場合も、この声かけで新しい組み合わせを発見できるかも、と思います。)

親子で一緒に楽しめる。 “色のままごと”のすすめ


子どもたちのタイプにもよるのですが、「いろんな色を作ることを楽しむ」という面においては、ままごと風にするのもありだと思います。家にあるものをいくつか持ってきて、「この色と、この色をお願いしますー!」と言ってみたり、「私が着ている服の色をお願いしますー!」と伝えてみたり。

色の見え方は人それぞれ違うので、子どもが「できた!近い色になった!」と思えればOKとする、というのがこの場合ではとても大事です。