2023.11.24

回転とアニメーションについて、親子でより深く知る「回転コラム」紹介

Vol.ダイヤモンド(12月号)のトイ教材「ぐるぐるプラネット」は、回転をテーマにしています。
今回の記事では、冊子の最後に収録されている保護者向けコラムについてのご紹介と、回転についてもっと親子で学びを深めたい人向けの情報をお届けします。


※本記事は、Vol.ダイヤモンド(12月号)のトイ教材の冊子内の保護者向け「回転コラム」を補足する記事です。回転コラムのQRコードからアクセスいただいた方は、前半の「保護者向けコラムについてのご紹介」ではなく後半の「回転とアニメーションの関係について、もっと知りたい方へ」からお読みください。


12月号の保護者向け「回転コラム」をざっとご紹介


冊子の最後のページに収録されている回転コラムでは、「ストロボ効果」が見られる身近な例や、今月号でアニメーション制作に使った「ゾートロープ」「フェナキストスコープ」について解説しています。

今月号は、「静止画がなぜか動いて見える」現象を楽しむ教材でした。このコラムで紹介されている「ストロボ効果」の一例(車のタイヤが止まって見える)は、逆に「動いているはずのものを撮影したら、止まって見える」現象です。これら2つの現象には、実は「映像にすきまがあること」という共通項があります。

私たちが普段テレビで見ている映像の多くは、1秒あたり約30枚の連続した写真でできています。

(動画の1秒あたり何枚の画像で構成されているかを示す単位は、「フレームレート」と呼ばれています。)


一見、実物を見るのとそう変わらないと感じる映像でも、1秒あたり30枚を抜粋することで情報量としては少なくなっています。

そうやって情報が省略されることで得られる独特な視覚効果が、今回の教材で制作するアニメーションにもあらわれています。
「ゾートロープ」「フェナキストスコープ」の歴史や原理についての、ちょっとしたお話もコラムには収録されています。お子さまと一緒に教材を楽しむ一助となれば幸いです。

回転とアニメーションの関係について、もっと知りたい方へ

今月号のトイ教材では、回転させることで絵が動いて見える不思議な装置をご紹介いたしました。今回のコラムでは、「なぜ回すと絵が動いて見えるのか?」について、より掘り下げていきます。


「なぜ回すと絵が動いて見えるのか?」

静止画が見えている状態と隠れている状態が高速で切り替わると、脳内で残像が間を補完して、まるで動いているように錯覚します。
この高速で切り替わる仕組みに回転を用いているのが、今月の教材でも扱った「ゾートロープ」「フェナキストスコープ」です。


今回の教材では絵を動かしましたが、同じ発想で立体が動いているように見せる技法もあります。
以下の動画は、15秒ごろまではただオブジェがそのまま回っているだけですが、照明が点滅しだすと生き生きと動き出したように見えてきます。

“ゾートロープ Cookies”YouTube PANTOGRAPH07". ※参照:2023年11月13日

※「ゾートロープ」と題されていますが、仕組みとしては今回の教材の「フェナキストスコープ」と共通するものがあります。

立体のオブジェが動いているように見せるには、照明の点滅が重要になってきます。
照明の点滅によって、高速で「見える」→「見えない」が切り替わることと、回転によって立体が移動するタイミングがちょうど合うことで、まるでオブジェが目の前で変化しているように見えます。

参考:熊本大学 工学部 機械システム工学科.”残像現象を楽しむ〜立体ゾードロープを作ろう〜”.国立大学55工学系学部ホームページ.(参照:2023年11月13日)


冊子の「くるくるさつえいかん」で、フレームレート(動画の1秒あたりの画像のコマ数の単位)の調整次第でアニメーションの見え方が変わるのは、回転の速度と同期できているかどうかで見え方が変わるという言い方もできます。つまり、1秒あたりのコマ数と、回転の速度には相性のよさがあり、ぴったりあっている時は絵がなめらかにつながって見えるということです。



以上、回転コラムについてのご紹介でした。

回転と残像を応用して、裏と表に描かれた別の絵が1つになって見えるおもちゃもあります。

山本浩二.”視覚玩具でアニメーションソーマトロープと驚き盤04 ソーマトロープのお話”YouTube Castle Childrens. (参照:2023年11月13日)

比較的作りやすく、こちらのサイト*で遊び方も紹介されているので、ご興味のある方はぜひお試しください。

*健全育成のための活動プログラム.”視覚の実験ソーマトロープ”厚生労働省.2013年.(参照:2023年11月13日)