A.茶色くなるのは、「たくさんの色を使ってみたい!」という気持ちのあらわれです。「茶色っぽい」の中から、徐々に違いを見つけていきましょう。
いろんな色を混ぜて「茶色」に行き着くのは自然なことなので、気にしないのが一番と言いたいところですが、傍で見ていればどうしても気になるというのも、もっともです。なぜ「茶色」になることが多いのか、子どもたちの行動の背景についてお話しさせてください。
最初の「クエスト」(まちに色を届けるというストーリー)では、いろんな色の組み合わせに触れてもらえるよう、あえて使える色を絞っています。だから、全色使える!となったときに、全部まぜてみたらどうなるんだろう!?と試してみたくなるのは自然なことです。
5色から好きな色を選べます
全部の色を混ぜ合わせると、茶色っぽい色に
「全部茶色になる」パターンとして、ただひたすらに絵の具を出して混ぜている、という子もいるとは思うのですが、「赤と、青と、黄色これぐらいにして…」のように、「これも入れたい!」「あ、これも!」となることによって、いつの間にか全色混ぜ合わせることになる、という子が多いのではないかなと思っています。
そして、それ自体は全然マイナスなことと捉える必要はありません。入れたい色がたくさんあるがゆえに、それらを全部入れてしまうというか。
その場合、完全に同じ茶色ではなく、紫っぽかったり、赤っぽかったり…少しずつ配合が異なる茶色になっているのではないかなと思います。
入れたい色を全部入れたら茶色っぽくなったという体験が、失敗というわけではなく、それはそれで快感というか、「うわー!こうなるんだ!」と新しい発見ができる体験だと思っています。
色の組み合わせを変えた茶色①
色の組み合わせを変えた茶色②
色の組み合わせを変えた茶色③
茶色やグレーしかないと嫌かな、つまらないかな、と思うのは子どもよりもむしろ大人の方だったりもします。
子どもたちが、茶色は茶色で「あまりきれいじゃない色」ではなく「おもしろい色」みたいに捉えられていたら、それは素敵なことだなと思います。
(教材公開前に実施しているモニターテストでは、その日着ていた服がカーキと茶色で、キャラクターをおそろいにするために、あえて茶色っぽい色ばかり作っていた、ということがありました。)